3.4 戴斗期(多彩な絵手本の時代 1812~1819 53~60歳)

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摺物
(寿老人) 星野寿徳の米寿祝の摺物 1816 前北斎戴斗筆 
山姥と金時と動物 1814 北斎改戴斗筆
大達磨揮毫予告の黒摺引札 1817 北斎戴斗筆
お茶出す美人 (扇の摺物の校合摺り) 1816-17 北斎改戴斗筆
(寿老人)
星野寿徳の米寿祝の摺物
山姥と金時と動物
大達磨揮毫の
予告黒摺引札
お茶出す美人
(扇の摺物の校合摺り)

鳥瞰図
東海道名所一覧 1818 葛飾前北斎戴斗筆
木曽路名所一覧 1819 葛飾前北斎戴斗筆
東海道名所一覧 木曽路名所一覧
総房海陸勝景奇覧 1818-19 葛飾前北斎戴斗筆
奥州塩釜松島之略図 1820 前北斎為一筆
総房海陸勝景奇覧 奥州塩釜松島之略図

絵手本
(1)北斎漫画
北斎漫画は1814年55歳のとき初編を出版、以降五年間に二編づつ十編まで出版。その後、間歇的に十四編までが出版され、没後1878年(明治11年)15編が出版された。 即ち、初編発行からなんと65年亘っている。 全15巻各30丁、計900頁(厳密に云うと絵の頁は836頁)に、約2600の図が描かれている。 絵柄ごとにカウントすると、巷説には、3500~3600点になると云われる。 各編は十二編以外は代赭色と薄鼠色の色版となっている。 また、各編とも初摺以降、何度も後摺が出版されている。

ここで"漫画”とは、北斎がつけた言葉らしく、初編の冒頭にある「半洲散人題す」と云う序文に

『喜怒哀楽の面にあらわれ、形にあふるる者は更なり。山川草木各々その性(特徴)あり。鳥獣虫魚みな其の神(心)有て、見て喜ぶべく、楽しむべき者あまたなれど、境(場所)かはり、時うつれば、即ちゆきぬ。若しその喜ぶべく楽しむべきものの、情形を、多歳の後、千里の外に傳えむと言せば、何を以ってかせんや。畫は傳神の具也。然れども其の畫、妙(巧妙)に入るにあらざれば、亦其の神を傳ふる事あたわず。北斎翁の畫におけるは、世の知る所也。今秋、翁たまたま西遊して我が府下(名古屋)に留り、月光亭墨仙と一見相得て、讙(よろこび)はなはだし。この頃、亭中に於て品物三百餘図をうつす。仙佛士女より初て鳥獣草木にいたるまで、そなはらざることなく、筆はぶいて神なせり。先近(現今)世の畫家、真をうつす者は必ず風致に乏しく、意を畫く者は或は検格(研覈)なし。その図する所、疎淡にして明整式あり、韻あり、物々皆生動せむと欲す。喜ぶべく楽しむべし。嗚呼、たれかよくこれに加えむ。真に畫を学ぶものの開手(入門編)となすべきかな。其の如く題するに漫画を以ってせるは、翁のみずからいへるなり。』

とあります。 
即ち、"漫画”とは、今で云う"マンガ”ではなく、"漫(すず)ろに描く”、"漫然といろいろなものを描く” という意味のようである。 「筆にまかせてなんでも描く、いろんな風に自由に描く」ということ。 以前からある"戯画”という言葉を使わなかったのは、自由奔放ではあっても、別にふざけていないからである。 八編に「でぶ・やせ」ばっかりが絵手本になっているところがあるが、さすがに「狂画葛飾振」と書いてある。 しかし「狂画」であって、「ふざけた絵」ではない。多分、"狂歌があるなら狂画もあっていいだろう”というつもりであろう。

結果として、北斎が習得したあらゆる画技・画法を駆使し、彼が描きたかったものを描き尽くした絵の教本となっている。

以下に各編の全丁を別ページに掲載する。 クリックすると該ページにジャンプします
北斎漫画 初編 北斎漫画 二編 北斎漫画 三編 北斎漫画 四編 北斎漫画 五編

北斎漫画 六編 北斎漫画 七編 北斎漫画 八編 北斎漫画 九編 北斎漫画 十編

北斎漫画十一編 北斎漫画 十二編 北斎漫画十三編 北斎漫画十四編 北斎漫画十五編

(2)北斎画式 一冊 1819年出版。 和漢の故事古典や、宗教・動植物・風俗を収めた絵手本。
 北斎画鏡(1819)、北斎麁画(良美灑筆改題)(1820)とともに、第二次関西旅行に因んで京都、名古屋の版元によって出版されたもの。
蛭子(恵比寿) 口絵 芝居の画題「白太夫」 仏教の画題
雪景色 「淵邊伊賀守大塔の宮を窺ふ」 籠花
仏教の画題 蟹の一群 仙人図
相撲取 鷲に藤 雨中往来図

(3)北斎麁画(ほくさい そが) (良美灑筆改題)   1820年  葛飾戴斗筆
「汲古閣にて書を鬻の図」 「雪中の万歳」 「雪解川」
「狂女蝶に戯」 「目に青葉」 「鍾馗」
「月下の往来」 「野分」 「盲人の川越」
「悟道」 「郭子儀」儒者の鑑 「餅搗」
「福ハ内 鬼ハ外」 「青陽」

(4)北斎写真画譜  1814年  1帖 全15枚
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北斎写真図譜

(5)画本早引     1817年  2巻 
人物図案を“いろは”順に
掲載した絵手本

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(6)その他
   三体画譜(1816)、画本両筆(1819)、伝神画鏡(1819)、などを出版している。
三体画譜
画本早引
伝神画鏡
三体画譜 画本両筆 伝神画鏡

絵本
英雄図会            文政年間 (1818-29)
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その他            
「絵本 浄瑠璃絶句」 1815 葛飾北斎筆
「踊独稽古」 1815 葛飾北斎画
「踊独稽古」 1815 葛飾北斎画
「絵本 浄瑠璃絶句」 「踊独稽古」 「踊独稽古」

読本
絵本西遊記   1806-1837年  全4編全40冊     3~4編 20冊の画: 葛飾戴斗
各編は10冊よりなり、各冊20~24丁のうち
4~5丁に挿絵が描かれている。
3~4編で北斎が描く挿絵は全89丁ある。

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書簡

永楽屋宛北斎新年挨拶状 1814 葛飾北斎
永楽屋番頭藤助宛北斎書簡 借金の申し込み、証文 1817 北斎戴斗
永楽屋宛北斎新年挨拶状 永楽屋番頭藤助宛北斎書簡 借金の申し込み、証文

肉筆画
鎮西八郎為朝図 1811 葛飾北斎戴斗画
烏賊に山椒図 1813-19 北斎戴斗
なまこ図 1810-17 北斎改戴斗筆
鎮西八郎為朝図 烏賊に山椒図 なまこ図
茶筅売り 1817 北斎戴斗筆
芋図 1816 北斎戴斗
茶筅売り 芋図
孕女図 1817 前北斎 戴斗筆
鶏図 1818-21 前北斎 戴斗筆
孕女図 鶏図
雪中傘持ち美人図 1813-19 前北斎 戴斗筆
砧図 1817 北斎戴斗筆
列子図 1810-13 葛飾北斎戴斗筆
鵜飼図 1815-18 葛飾戴斗筆
雪中傘持ち美人図 砧図 列子図 鵜飼図
月下竹虎図 1817 北斎戴斗筆
羅漢図 1810-17 北斎戴斗筆
日蓮像 1811 葛飾北斎戴斗拝画
桔梗図 1810-17 北斎戴斗筆
月下竹虎図 羅漢図 日蓮像 桔梗図