2.6

版本

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   なお、説明の中で 〈19XX〉とあるのは、制作年を、 〈?〉は制作年不明を意味する。 また
   〈19XXa〉、〈19XXb〉とあるのは、〈19XX年以後〉、〈19XX年以前〉を意味する。

 

 狂斎画譜

万延元年(1860)刊行。 半紙 一冊。 22.8 x 16.0 cm.
狂斎の絵本としては最も早い時期(三十歳)に出版されたものの一つ。 序文に拠れば、版元金花堂(須原屋佐助)がすでに狂画作家として名を為していた狂斎の傑作を集め、これらに添える狂句を六代目川柳に作らせ、初学の者の絵手本としても役立つとして刊行したもの。 百点近い戯画に七十三句が添えられている。

題扉 かみなりの孫、鼾ほど鳴ならひ。
雷嫌ひそれ豆をつれ蚊帳を喰へ。
乳のみ子の仁王いまだ画にも見ず。
よく嘘をつきんす舌とくはへられ。
湯豆腐が舌へひりゝともてた朝。
虎の皮破るゝ鬼の若ざかり。
婆ゞあの湯こすられて居る欲の垢。
古法眼小判を書てさあぬけろ。
婚礼に鷺と泥亀くやしがり。
額銀工面しぬけて出る狩野の弟子。
這たくなったすっぽんを喰た晩。
鷺を見て晩に忍ぶはかうだはへ。
 

 狂斎百図

折本 一冊 18.1 x 12.2 cm.
文久三年(1863)から刊行され始めたシリーズ作品。 はじめはバラの袋入りだったが、後に一冊、二冊または三冊の折本仕立てとなった。 諺を戯画で示したものには『絵本俚諺草』(豊信)などがあり、これもそれにならったものであるが、無題の戯画もあり、風俗画としても楽しめるようになっている。 明治になっても版を重ね、その折々に新しく差し替えられた図もある。 来日外国人の間でも人気の的となり、ギメ『日本散策ー東京・日光』の挿絵に使用されている。


傾城買いの糠味噌汁・あんころ餅でおしりをたたく
ぶたのかるわざ
善はいそげ・ながしみぢかし
鬼頭天王
馬のみみに風・牛にひかれて善光寺まいり

大津絵の戯
女さかしくして牛売そこのふ・くらやみから牛を引き出す
三老人真行草
餅はもちや・てふちんで餅をつく
女房と畳は新しいがよい・小じうと壱人鬼千匹にむかふ・合物ははなれもの

朝鮮せいばつ
大津絵の東下り
海人浦人
なす時の焔魔かほ・かりる時の地蔵かほ
銭をへがす人、爪へ火をともす・老れの学文

れん木鳥と化す・田鼠化してうつらと成
地獄で佛
江口ノ遊君 ・でい中の蓮
ひもじいときのまずいものなし ・当こととゑっちうふんどし
ていしゅのすきな赤ゑぼし ・こんにゃくの幽霊

さわらぬ神にたたりなし ・あとのまつり
牛に馬をのりかえる(「牛を馬に」が正しい)
いり豆に花が咲く ・となりのせんきをずつふにやむ
砂の仲の黄金
にくまれ物世にはゞかる ・うのまねするからす

果報は寝てまて ・目くら蛇におじず
をんをあだでなす
坂に車 ・船頭多くて山へ登る
一寸さきはやみ ・まだかはのある内に目とほねを見よ、深大寺御坊 ・人をいのらば穴二つ
(雷神の墜落、戯画のみ)

(わんぱくの水遊び、 戯画のみ)
義理とふんどし ・盆と正月
小坊主に天狗八人 ・ふぐ喰いたし命はおしゝ
やぶからぼふ
実のなる木は花からしれる

山のいもうなぎに成
郡盲ノ図(「群盲」の誤り)
ていしゅをしりにしく ・てい主のかおへどろをぬる
あたまかくして尻かくさず
わんぱくあそび

鰯のあたまもしんじんから ・嫁ひとりに婿八人
(「高砂」の翁・媼と鶴・亀を描く祝言戯画)
われ鍋にとぢぶた ・ゑんはいなものあぢなもの
大津絵の戯
鳩に三枝のれいあり ・烏にはんほの考あり(烏に反ホの孝あり)

貧すればどんする
なく子と地頭にはかたれぬ ・百日の説法屁一つ
人間万事(塞)翁の馬 ・口はわざわいのかど
君をおもふ身を思ふ
柿の曲食

ながいものにはまかれろ
捨てる紙あればたすける神有
蛸の八人げい
坂公のゆめ
とび鷹の児をうむ ・うの目たかの目

馬士にも位装(馬子にも衣裳)
てふちんにつり鐘 ・三人よれば文殊の知恵
(鼻の撃剣、曲芸、口説き、風邪。 長鼻族の生活を描くが諺はない。)
麁想(粗相のこと)
あいた口へおはぎ(あいた口へ餅、「棚からぼた餅」と同じ) ・恋に上下のへだてなし

和藤内 ・「はりこの名人」
すゞめ踊り
ばかされ
牛は牛づれ ・牡丹花肖柏老(室町時代の連歌師、外出のときは必ず角に牡丹を飾った牛に乗った) ・七夕の恋人 ・菅原道真 ・鬼童丸
鬼の留主にせんたく ・をやににぬ子は鬼児

くさっても鯛 ・猫のしりへさいづち ・ねこに小判 ・つめでひろって箕であける
犬もあるけばぼふにあたる ・のみのあたまをおのでわる
おたふくに白酒 ・ばかにつける薬はない
地獄の休日
花は桜木人は武士。 おぶった子よりだいた子。 猪食たむくい

あみ陀の光も金次第 ・正直の頭上に神住
金玉モツリ方 ・下手のよこずき
蛙の児はかへるとなる ・かゑるのつらへ水
名工左り甚五郎
地蔵のかをも三度なずればはらをタツ ・をれはいはぬがわれ言な

灰吹から大蛇
佐渡国同三狸(同三狸は団三狸〈団三郎狸〉の誤り) 団三狸の皮で作った鞴を用いることによって、佐渡の金山が栄えたという。
書の大天狗 ・象の鼻引
やぶにまくわ (「藪の中で馬鍬を使用する」は出来ないことを強いてするたとえ。)
行力(行力は仏道や修験道を修行して得た功徳のの力)

ふうふげんくはいぬもくはぬ ・むくろしゅはみがいても白くならぬ ・我が家楽の釜たらい
かべに馬をのりかける ・めしの上のはい
さきを烏(「鷺を烏」は図無し) ・うわさをすれハかげかさす
思ふねん力岩をとふす ・(下図は虎と見て矢を放ったが、岩であったという故事)
下戸のたつたる蔵もなし

手ならい
百物かたり
地獄のさたも金次第 ・餓鬼の物に虫
ぬかにくぎ ・とうふにかすがい
(盥に乗って登城する大久保彦左衛門)

かげ弁慶 ・盗人にをいせん
かれ木に花 ・犬の川ばた


 絵本鷹かゝみ

文久年間(1861-63)出版?。 初編3冊、貳編2冊。 鷹の百科事典。
右の表紙画像をクリックすると
初編36丁、貳編23丁を掲載する頁へ
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 暁斎画譜

明治十四年(1881) 一冊 色摺 13.2 x 9.0 cm 書画会当日の模様が活写されている。

好事家たちが画絹や画仙紙を抱え、会場に入ってきた様子。
帳場で係りが帳面を繰って受け付けている。
会場内で書画家の制作を見つめ、注文する人々、品評し合う人々、酒食を楽しむ人々。


 暁斎楽画

明治十四年(1881) 乾坤 二冊 21.7 x 14.5
絵手本。 序文は漢学者蒲生重章の撰。 乾坤二冊に主として花鳥虫獣魚など彩色三十四図を収める。






 暁斎漫画

明治十四年(1881) 初編~三編 10冊 22.4 x 15.2
おそらく『北斎漫画』を意識して刊行されたと思われる。 

題扉 盲人群像 蛙の擬人画

『水滸伝』の豪傑・魯智深は、剃髪間もない頃、大酔して五台山山門の仁王像を投げ飛ばした 平和に暮らす鬼の世界をこれを窺う鍾馗 鬼をいじめる鍾馗 鬼を利用して利益をあげる鍾馗

鬼の生活 骸骨 骸骨の生活図

富士越しの鯰。 富士越龍は伝統的画題だが、暁斎は龍を鯰(官僚)に変え、その頭に猫(芸者)を乗せた。 国政の行方を危ぶむ風刺画 福禄寿にシルクハット 大黒(先生)と鼠(生徒)、布袋先生と唐子たち 撒き餌で人間を釣る恵比寿。 寿老人の御す鹿車の中で帝釈天と弁財天

達磨、お多福と大黒と恵比寿、河童 銭湯「福泉」で入浴する七福神 山姥と金太郎

能面 ろくろ首・鬼火・狸・姑獲鳥 青坊主・笑般若・ぬり仏
・ぬれ女


 

 暁斎鈍画

明治十四年(1881)刊行  11.5 x 17.2 cm




 暁斎酔画

明治十五~十七年(1882-84)刊行。 初編~三編 三冊。 18.3 x 12.5 cm
三編とも主として戯画で構成されているが、能狂言図、山水・花鳥図を含む。
「人を酔わしむる」もので、酔筆ではない。

相馬墨塗之図 江戸四ッ谷の大木戸に相馬某という旗本の邸があり、毎年正月十四日に邸内で無礼講の墨塗合戦が行われたという。 相馬墨塗之図 江戸四ッ谷の大木戸に相馬某という旗本の邸があり、毎年正月十四日に邸内で無礼講の墨塗合戦が行われたという。
初編扉 二編扉 相馬墨塗之図

公時、酒呑童子、其二(安達ヶ原の鬼婆)
公時、酒呑童子、其二 山姥、狼、長首 虫の遊び

百鬼夜行 狼と旅人


 暁斎百鬼画談

明治二十二年(1889) 折本 一冊 21.3 x 12.2 cm
土佐刑部大輔作「百鬼夜行図」(京都・大徳寺真珠庵本「百鬼夜行絵巻」伝土佐光信筆)に基づいて加筆したと序文に記されているが、いくつかの暁斎好みのシーンが欠落しており、おそらく江戸に伝わった真珠庵本とは別系統の模本に拠ったものと考えられる。

表紙 表紙裏(印章)と 扉 序文

度胸試し (奥の部屋は真っ暗闇だが、行灯の火をかき立てて、我が名を記帳する)
題名 著者名 柳の葉 怪談話の開始 度胸試し

妖怪混成軍団 骸骨軍団 払子妖怪、靴の沓妖怪、鰐口妖怪

琴妖怪、琵琶妖怪 笙の妖怪、犀妖怪 鳥兜妖怪、匙妖怪、磬妖怪、扇子妖怪

大幣妖怪、緌の妖怪 青衣の怪獣、毛槍の妖怪、浅沓妖怪 麒麟妖怪、大蟻妖怪、蚤怪物

猿女、三つ目の鬼、醜女、鏡妖怪 狐女、侍女妖怪、猫妖怪 傘妖怪、草履妖怪、犬妖怪

鍋蓋妖怪、釜妖怪、五徳妖怪 魑魅魍魎の出現 銅鈸妖怪、針鼠妖怪、獅子妖怪、僧侶妖怪

経巻妖怪、鏧子妖怪、八乙女妖怪、象男 海坊主、青鬼、瓢妖怪、百舌化物、大目玉 鋏妖怪、貘、鶏、麒麟、河童、山犬

ぬらりひょん、犬妖怪、狼妖怪 黒兎、象、目無し婆 姑獲鳥、一つ目妖怪、靫妖怪、鐙妖怪

濡れ仏、河童、一つ目の青坊主 署名と印章