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本画 - Ⅲ 画譜・画帖

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地獄極楽めぐり図

明治二年~五年(1869-1872)制作。  各24.8 x 40.1 cm 紙本着色。
日本橋の小間物問屋勝田五兵衛が明治二年三月十日、たつ(田鶴)という十四歳の娘を亡くし、その娘の追善供養のため暁斎に依頼したもので折本仕立になっている。 表紙、見返し、辞世、中扉、款記(奥付)、見返し、裏表紙を除き、本文的な部分となる図は三十五図ある。 
その内容は「臨終と来迎」から「冥界」への道程、「三途の川」「賽の河原」などを経て、途中で市村竹之丞に出会ったりする。 旅館「はりやま」に到着し、先に亡くなった祖母その他と会ったりもするが、「盛り場」や「芝居見物」も楽しみ、ついで地獄をのぞき、ついには冥界と別れて、極楽到着まで。

原色画像の入手が出来ないものについては、モノクロ画像で掲載した。


内箱・裏 たつのシルエット:柴田是真画
内箱 表紙 内箱・裏

01 見返し 蝶と華鬘
02 辞世 「あそべるもことしかぎりか雛まつり」(たつ女)
03 蓮池・蓮の花
01 見返し 蝶と華鬘 02 辞世 03 蓮池・蓮の花


04 臨終と来迎
05 一行と地蔵菩薩
06 出立
04 臨終と来迎 05 一行と地蔵菩薩 06 出立


07 いよいよ冥界へ
08 冥界の関所(羅人宮)
09 地獄街道(阿防宮)
07 いよいよ冥界へ 08 冥界の関所(羅人宮) 09 地獄街道(阿防宮)


10  立場中継(なかつぎ)、上では葬儀
11  立場出発、上では法要
12  三途の川の渡し船Ⅰ
10 立場中継 11 立場出発 12 三途の川の渡し船Ⅰ


13  三途の川の渡し船Ⅱ
14  脱衣婆
15  賽の河原の水子たち
13 三途の川の渡し船Ⅱ 14 脱衣婆 15 賽の河原の水子たち


16  地蔵と遊ぶ水子たち
17  道中(望遠鏡を持つ)
18  市村竹之丞一行(望遠鏡で覗く)
16 地蔵と遊ぶ水子たち 17 道中 18 市村竹之丞一行


19  たつの蓮台渡し
20  旅館はりやま到着
21  観音菩薩風におめかし
19 たつの蓮台渡し 20 旅館はりやま到着 21 観音菩薩風におめかし


22  亡くなった家族と対面
23  八代目市川團十郎を描く国貞
24  地獄へお出まし
22 亡くなった家族と対面 23 八代目市川團十郎を描く国貞 24 地獄へお出まし


25  閻魔王を従わせる
26  盛り場
27  芝居見物へ
25 閻魔王を従わせる 26 盛り場 27 芝居見物へ


28  市村家橘の「保名」
29  大宴会
30  地獄見物Ⅰ
28 市村家橘の「保名」 29 大宴会 30 地獄見物Ⅰ


31  地獄見物Ⅱ
32  念仏箱を届ける
33  極楽の裸祭り(称名宮)
31 地獄見物Ⅱ 32 念仏箱を届ける 33 極楽の裸祭り(称名宮)


34  閻魔王の裁きを見る
35  閻魔王とお別れ
36  お雛様らに送られ
34 閻魔王の裁きを見る 35 閻魔王とお別れ 36 お雛様らに送られ


37  極楽行き汽車  新橋ー横浜の鉄道の仮開業が明治五年五月、七月に天皇が試乗。 款記に明治五年七月とあるので、鉄道開業前に想像で描いたものらしい。
38  極楽往生
39  蓮
37 極楽行き汽車 38 極楽往生 39  蓮


40  釈迦と款記 表裏紙見返し 蛙と蓮の実
40 釈迦と款記 表裏紙見返し



風俗鳥獣図譜

明治二年~三年(1869-70)。表面十一図、裏面三図の計十四図からなる画帖。 
各19.1 x 14.6 cm の小品の画帖とはいえ絹本に金箔貼りし、極彩色で描かれた豪華なもの。
阿国歌舞伎の念仏踊りの場面に始まり、三夕や雷神、前田犬千代や、鷲、猫ときて髑髏に至る14図が貼り込まれた画帖。 なお、表面の最後に目録があり表十一図分の画題が記されている。


01 阿国歌舞伎 其の一 念仏踊り
02 阿国歌舞伎 其の二 散楽
03 三津木辰之助鎗踊り
04 三夕
05 木嵐の霊
阿国歌舞伎
其の一 念仏踊り
阿国歌舞伎
其の二 散楽
三津木辰之助鎗踊り 三夕 木嵐の霊


06 雷神
07 大津絵
08 平井保昌の沈勇
09 前田犬千代(利家)の奮戦
10 敗荷白鷺
雷神 大津絵 平井保昌の沈勇 前田利家の奮戦 敗荷白鷺


11 家猫捕鼠
裏1 達磨の耳かき
裏2 お多福
裏3 髑髏と蜥蜴
家猫捕鼠 達磨の耳かき お多福 髑髏と蜥蜴



狂斎興画帳(「とう」尽くし)

明治三年(1870)以前。  一冊 紙本着色。 各18.3 x 23.3 。
序文に「勝田五兵衛が画闘を催して「とう」に関する絵を二巻集めさせたと記されている。 実際にはこの画帳は二つの系統の絵が混在している。ひとつは、狂斎による淡彩の絵と下の句を記した二十七図。他方は、画面が枠で仕切られ右肩に画題と数字が記されたもの百十一図で、内容は「とう」の付く作品である。 これは、幕末に流行した『興画合せ』の趣向と似ている。
『興画合せ』は、会日を決めて事前に画題を配り、なるべく画題そのものではなく、連想させる絵を描いて持ち寄り、最も趣きのある作品に賞品を出したという。


青竜刀 鐘蕩 トウ(稲) 御影堂


遠島 ? 摩道 入道


六道 セントウ 船ゆふ霊 白虎とう 與(アタウ)


伊勢おんどう(音頭) 義棠(義党) ケントウ(見当) 定任(貞任)


五道 半道 渡唐 四海つとう(四海集う)


帝鑑之間 [「四海つとう」 を開く]



狂斎雑画帖

明治三年(1870)以前。 全八図一冊 絹本着色 19.2 x 28.7 cm。
最初の4図は、桜の花びらが舞い散る中を行く大原女、蝉採りに熱中する二人の子供、薄や秋草が風にゆれる秋の野、雪景色の中を飛ぶ烏、と四季の風物を描いたもので、後の4図は、地獄への旅を描いている。
まず、蓮の葉を被った亡者が、鬼の引く馬に乗って死出の旅路を行く。 馬子の鬼は盂蘭盆会に掲げる切り子灯篭を担いで黄泉の国を指し、亡者が乗る馬は人面馬である。 それから蓮の船に乗って三途の川を渡る。 後から亡者たちが駆けつけるが、もう間に合わない。 そして辿り着いた先の地獄では、なんと阿弥陀様も閻魔大王も浮かれて宴もたけなわ、という愉快な設定である。





惺々狂斎画帖

大伝馬町の小間物問屋・勝田五兵衛の注文で描いた画帖。 三冊より成る。
内容は、浅草寺創建の伝説や浅茅が原の一つ家にまつわる物語、梅若丸の霊と母が再会する梅若伝説、飛鳥山の花見、浦島太郎と乙姫、幼い秋色女と桜、『江戸名所図絵』の挿絵にも見える「武蔵国」命名にまつわる伝説、神田上水の懸樋、一枚岩、請地の松、角筈村熊野十二社権現の熊野滝といった名所、押上真清寺にあったという応挙の閻魔図、見世物小屋の賑わい、隅田川の舟遊びなど、「江戸」にまつわる名所や伝説、江戸庶民の遊びを描いたものが大半を占めている。

(1)全二十六図一冊。 紙本着色。各12.7 x 17.7 cm。
(2)全二十二図一冊。 紙本着色。各12.6 x 17.4 cm。
(3)全二十  図一冊。 絹本着色。各12.8 x 17.6 cm。


第一冊


大蛇に驚く人々 浅草寺観音像の出現 浅茅が原一つ家伝説


梅若丸の霊と母 三囲神社の雨乞い 目黒不動鷹居の松 飛鳥山の花見


秋色桜 井戸端の桜あぶなし酒の酔い
怪魚出現 浦島太郎と乙姫 秋色桜


日本武尊東夷征伐 武蔵国号の濫觴
お茶の水水道橋 神田上水懸樋
日本武尊東夷征伐 お茶の水水道橋


一枚岩 神田上水の白堀通り
応挙筆 押上真清寺什物ナリ
一枚岩 請地秋葉の松 熊野十二社 押上真清寺什物ナリ


浮世絵美人 見世物小屋


隅田川の船遊び


第二冊


早稲酒や狐呼び出す 姥がもと 基角
王子権現社 田楽 七度半の使
真崎神明宮 夏越祓
山吹の井
王子権現社 田楽 真崎神明宮 夏越祓 山吹の井


三囲稲荷
駒形町清水稲荷社の由来
秋葉山天狗川狩
涅槃図に猫を描く兆殿司 (明兆)
三囲稲荷 駒形町清水稲荷社 秋葉山天狗川狩 兆殿司


愛宕山毘沙門の使
弟橘姫の入水 浦賀水道
浅草三社権現 流鏑馬
愛宕山毘沙門の使 弟橘姫の入水 浅草三社権現 流鏑馬


見越し入道
大久保彦左衛門の盥登城
鏡ヶ池(梅若丸の母妙亀尼が身投げした池)
見越し入道 大久保彦左衛門の盥登城 鏡ヶ池


野馬追い
王子稲荷
田舎源氏五十四枚之内(古寺の場)
『偐紫田舎源氏』初編 東山義正公桐壺の帝
野馬追い 王子稲荷 (古寺の場) 東山義正公桐壺の帝


今井谷の於秀
『偐紫田舎源氏』五編 表表紙 花魁阿古木と二人禿
今井谷の於秀 花魁阿古木


第三冊


亀井戸 香取神社 道祖神祭
亀井戸天神 鬼あらい神事
亀井戸 香取神社 亀井戸天神


久米仙人
信濃国 戸隠山 火祭之図
八幡太郎義家の鱶退治
久米仙人 信濃国 戸隠山 八幡太郎義家


烏天狗
金龍山 墨絵之馬
烏天狗 金龍山 墨絵之馬


化け猫
 山伏
浅茅が原一つ屋伝説
化け猫 山伏 浅茅が原一つ屋伝説


 『偐紫田舎源氏』五十四枚之内
仏師
『偐紫田舎源氏』
『偐紫田舎源氏』
『偐紫田舎源氏』 仏師 『偐紫田舎源氏』 『偐紫田舎源氏』



日本神話

明治10(1877)年、東京大学化学教師として来日していたアトキンソンが直接暁斎を訪れて制作を依頼した作品。 24.7 x 21.6 cm 紙本着色。 古事記をテーマにした全10図のうち5図の現存が確認されている。


神々の形成 島々の誕生 須佐男命の追放


海幸と山幸 天孫降臨



大英博物館アンダーソン・コレクション肉筆戯画シリーズ

明治十二年(1879)。 37 x 52 cm。
これらは、アンダーソンが暁斎の戯画、風刺画の優れているのに惚れ込み、暁斎に水彩絵具や用紙を渡して描かせたのではないかと云われている。


蛙と蛇の戯れ 蛙の踊り 蛙の蛇退治 兎と蛙の相撲


虫の踊り 蛙たちの管弦楽 猫と鼠の行進 亀を射る猿


杭に繋がれた猿と兎、狸 獣に捕らわれた猟師 鼠の猫退治 祭り行列をする動物たち


鷲の強襲 蛸の化け物と悪鬼たち 天狗の曲芸 天狗の人形遣い


百鬼夜行 妖怪と踊り猫 猪に乗る仏神と妖怪ども 付喪神


化け物叩き 鬼退治 首切り場 火あぶり


地獄の責め苦 閻魔に抗議 閻魔の前での責め苦 閻魔大王



能狂言画聚

明治十八年(1885)以後。 34.0 x 34.5 cm。
能・狂言の演目を描いた14図と、冒頭及び結尾に狐の図を加えた全16図の画帖。
暁斎は若くして狂言の大蔵流について稽古をするほど能楽に親しみ、それらを題材にした作品を多く描いている。 本画帖では各演目の舞台を描いた彩色画に、各演目に関連した風物を描いた淡彩画を添えて情趣を深めている。


錠を咥える白狐 巣穴の子狐
道成寺
舟弁慶
猩々
錠を咥える白狐 巣穴の子狐 道成寺 舟弁慶 猩々


末広がり
高砂
柿山伏
鉢木
末広がり 高砂 柿山伏 鉢木


土蜘蛛
隅田川
望月
浦島
土蜘蛛 隅田川 望月 浦島


田村
叔母ヶ酒
花取相撲
夕日と狐
田村 叔母ヶ酒 花取相撲 夕日と狐



諸家雑画帖

制作年月不明。 一帖 絹本墨画着色。 22.7 x 31.4 cm
見開きに執筆された大久保利通の書を冒頭に十九人、都合三十面の書画が収められている。笹乃雪主人の求めによって近隣に居を構える文人たちが折々に制作したものと考えられる。
暁斎は六点張り込まれており、この画帖の末尾を飾っている。





暁斎下絵帖

弘化三年(1846)十六歳の頃に写した水滸伝や、明治十七年(1888)五十四歳のときの模写など、幅広い年代にわたる模写や下絵が貼り込まれている。